開業税理士が最新動向を解説|令和3年創設の事業再構築補助金

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2021.01.01

お役立ち情報

予算規模1兆円超!令和3年度に新補助金創設

(2月2日追記しました)

 令和3年1月28日に予定通り、令和2年度第3次補正予算が成立しました。事業再構築補助金の公募時期については、3月に公募開始予定となっています。今後も新たな情報が入り次第、更新していきます。

 https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html 

(1月28日追記しました)

 令和3年1月26日に衆院予算委員会は、令和2年度第三次補正予算案を可決しました。今後は衆院本会議で可決後、参院での審議に入り28日にも可決される見通しです。

 なお、先日、当事務所ブログでご紹介した中小企業生産性革命推進事業(ものづくり・持続化・IT導入補助金:予算額2,300億円)と併せて、事業再構築補助金についても、緊急事態宣言による影響を受けたことを証明する事業者が申請をした場合には、審査において加点し、優先的に採択する旨、経済産業省より公表されています。

 https://www.meti.go.jp/covid-19/kinkyu_shien/

 

令和2年度第3次補正予算案が閣議決定

 2020年12月15日に令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)が閣議決定されました。
 令和2年度補正予算は、主に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業者の事業継続を下支えするため、1次で8兆3,193億円、2次で15兆168憶円、3次においても4兆7,000億円の予算編成が成されました。

 第3次補正予算では、中小企業・地域支援策として、資金繰り継続支援のほか、中小企業等事業再構築促進事業として1兆1,485億円、中小企業生産性革命推進事業の特別枠(ものづくり補助金、持続化補助金、IT補助金の新特別枠)として2,300億円の予算が充てられました。

注目は中小企業等事業再構築促進事業

第3次補正予算案の注目は、「中小企業等事業再構築促進事業」における予算額1兆円規模の新補助金(事業再構築補助金)創設です。予算規模1兆円ともなれば、ものづくり補助金などの中小企業生産性革命推進事業の予算規模(3年間で3,600憶円)のおよそ3倍となります。

新型コロナ関連の影響が長期化し、当面の需要や売上回復が期待し難い中で、ポストコロナ・ウィズコロナの時代では事業再構築、構造転換が重要視されており、新たに創設される補助金は、新規事業分野への進出、業態転換、事業・業種転換、事業再編⼜はこれらの取組を通じた規模拡⼤等、思い切った事業再構築に意欲を有する中⼩企業等の挑戦を⽀援するものとなっています。

事業規模拡大、海外展開を志向する企業には更に優遇

事業再構築補助金の概要は、以下の通りです(令和3年1月1日現在)。

補助対象

1.申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して
  10%以上減少している中小企業等。

2.事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額
  の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

補助金額、補助率

カテゴリ 補助金額 補助率
中小企業 通常枠 100万以上6,000万以下 2/3
卒業枠(*) 6,000万超~1億以下 2/3
中堅企業 通常枠 100万以上8,000万以下 1/2(4,000万超は1/3)
グローバルV字回復枠(**) 8,000万超~1億以下 1/2

 * 中⼩企業(卒業枠)︓400社限定。
  計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本⾦⼜は従業員を増やし、
  中⼩企業から中堅企業へ成⻑する事業者向けの特別枠。

 ** 中堅企業(グローバルV字回復枠)︓100社限定。以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠。
  ①直前6カ⽉間のうち、任意の3カ⽉の合計売上⾼が、コロナ以前の同3カ⽉の合計売上⾼と⽐較して、15%以上
   減少している中堅企業。

  ②事業終了後3〜5年で、付加価値額⼜は従業員⼀⼈当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
  ③グローバル展開を果たす事業であること。

事業再構築の事例

  • ⼩売店舗による⾐服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で売上が減少したことを契機に店舗を縮⼩し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換。
  • ガソリン⾞の部品を製造している事業者が、コロナ危機を契機に従来のサプライチェーンが変化する可能性がある中、今後の需要拡⼤が⾒込まれるEVや蓄電池に必要な特殊部品の製造に着⼿、⽣産に必要な専⽤設備を導⼊。
  • 航空機部品を製造している事業者が、コロナの影響で需要が激減したため、当該事業の圧縮・関連設備の廃棄を⾏い、新たな設備を導⼊してロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に⽴上げ。

経営革新等支援機関等との事業計画策定が必要

 本事業の補助金申請には、経済産業省が⽰す「事業再構築指針」(ブログ公開時点では未公表)に沿った事業計画を認定⽀援機関等と策定する必要があります。
 この補助金を活用して取り組む事業には、ものづくり補助金のように革新性が求められるわけではないため、それほどハードルは高くないと推測されますが、現段階では、令和3年の3月頃から公募が開始されると思われるため、要件確認などは早目にしておくとよいでしょう。

 当事務所は、経営革新等支援機関の認定を受けております。
 補助金に関するご相談は、お気軽にお問合せください。

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