速報!事業再構築補助金の概要が公表|添田達也税理士事務所のお役立ちブログ
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2021.02.16
補助金・助成金
速報!事業再構築補助金の概要が公表
令和2年度補正予算で予算規模1兆円超える新たな補助金として今注目を集めいている事業再構築補助金。
2月12日に事務局が株式会社パソナに決定し、総予算1兆1,485憶円から事務局経費399憶円を差し引いたおよそ1兆円が中小事業者等に支給されることになりました。
また、公募も3月開始(中旬と推測)予定とあって、徐々にその概要もわかってきました。
今回は、昨日2月15日に経済産業省から公表された概要について、速報をお届けします。
(前回記事のこちらもあわせてお読みください → https://www.soeda-cpta.com/blog/info/2184/)
緊急事態宣言特別枠が追加!通常枠の加点措置も
コロナで影響を受けた中小事業者等が事業の再構築に取り組む支援策として創設された事業再構築補助金。「通常枠」の申請要件に加え、更に次の要件を満たす中小事業者等には「緊急事態宣言特別枠」が用意され、「通常枠」においても加点措置を行うことが公表されました。
通常枠の主な申請要件
■ 売上の減少
申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月間(連続していなくてもOK)の合計売上高が
コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3ヵ月の合計売上高と比べて10%以上減少。
■ 事業再構築に取り組む
事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う。
■ 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定
補助事業終了後3~5年で付加価値額(※)年率平均3.0%以上増加、
又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定
(※)付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
緊急事態宣言特別枠とは
緊急事態宣言下でより売上減少が大きかった中小事業者には、採択件数限定で通常枠よりも補助率を引き上げた「緊急事態宣言特別枠」が設けられ、審査において一定の加点が行われます。特別枠は、従業員数によって補助金上限が決まっていますが、要件を満たし、申請金額が上限内で納まる場合には、特別枠で申請しましょう。なお、特別枠が不採択となった場合でも、通常枠で再審査(加点あり)されることから、特別枠へ応募した方が、一般的には採択率が高くなります。
従業員数 | 補助金額 | 補助率 |
5人以下 | 100万円~500万円 | 中小企業:3/4 中堅企業:2/3 |
6~20人 | 100万円~1,000万円 | |
21人以上 | 100万円~1,500万円 |
【緊急事態宣言特別枠の申請要件】
■ 通常枠の申請要件
■ 緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や外出・移動自粛等の影響を受けたことにより
■ 令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少
【要件を満たせば、地域・業種問わず対象】
事業計画の策定ポイントは?
事業再構築補助金の審査は、士業や金融機関、商工会議所などの認定経営革新等支援機関と相談して策定した事業計画に基づいて行われるため、合理的で説得力のある事業計画が求められます。
なお、採択事業については、外部有識者による事業計画内容等の審査により決定されますが、具体的な審査項目については公募要領に掲載予定(未公表)とされています。審査にあたっては、事業化に向けた計画の妥当性、再構築の必要性、地域経済への貢献、イノベーションの促進などが審査項目となる可能性があるとのことで、ものづくり補助金と同水準のレベルが求められそうです。
事業計画に記載すべきポイント
■ 現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
コロナ禍における現在の事業状況やSWOT分析を行い、事業再構築の必要性を記載します。
なぜ再構築が必要なのか、合理的に、かつ説得力のある説明を心がけましょう。
■ 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
今回の取り組みにおいて複数の事業を検討している場合には、複数の計画を記載することも
可能です(事業再構築補助金は複数回数受けることはできません)。
■ 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
■ 実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)
購入契約の締結等は、原則として交付決定後ですが、 公募開始後、事前着手申請を提出し、
承認された場合は、2月15日まで遡ることができます(申請後不採択となるリスクあり)。
事業計画のフォローアップ
事業計画は策定して終わりではありません。交付決定度、設備の購入等を行う期間補助事業期間(概ね1年程度)終了後、5年間のフォローアップが必要となります。フォローアップ中の5年間は、経営状況等について年次報告が必要となります。
事業終了後のフォローアップ項目の例
■ 事業者の経営状況、再構築事業の事業化状況の確認
「卒業枠」や「グローバルV字回復枠」では、事業計画期間終了後、中堅企業へ成長できなかった場合や付加価値目標が未達の場合など一定の条件の下、補助金の一部返還請求が予定されています。
■ 補助金を活用して購入した資産の管理状況の確認、会計検査への対応
不正行為等の場合は、補助金返還事由となります。また、不正行為等には、法令に基づく罰則が適用される可能性があります。
いまから準備できることは?
事業再構築補助金の公募開始は、令和3年3月予定(第1回公募は1か月程度の公募期間を想定)となっています。公募は、令和3年度に複数回予定されていますが、補助金事業は予算消化で終了となるため、早い段階での申請の方が採択率が高い傾向にあります。現段階において、申請前に準備できることはあるのでしょうか。
公募要項等の情報収集及び確認
事業再構築補助金に関する情報は、経済産業省ホームページに随時アップされます。事業再構築補助金の活用イメージや、よくある問い合わせなどが掲載されていますので、まずは情報収集に努めましょう。
【事業再構築補助金(経済産業省)ホームページ】
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html
【事業再構築補助金の概要】
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/summary.pdf
【よくあるお問い合わせ】
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/qa.html
電子申請の準備
補助金申請は、jGrantsという電子申請システムで申請受付を行います。
jGrantsでの申請には、 GビズIDプライムアカウントが必要となりますので、事前にIDの取得をしておきましょう(発行に2~3週間要する場合があるとのことです。私の場合は1週間程度でしたが…)。
GビズIDプライムアカウントは、以下のホームページで必要事項を記載し、必要書類を郵送して作成することができます。
なお、申請にあたり、印鑑証明が必要となりますので、申請前に取得をしておくことをお勧めします(申請内容が印鑑証明記載事項と異なる場合には、書類不備で審査が通りませんのでご注意ください)。
【GビズIDホームページ】 https://gbiz-id.go.jp/top/
認定経営革新機関へ相談
補助金申請に必要な事業計画策定には、認定経営革新等支援機関の関与が必要です。
一般に、事業計画の策定には時間がかかります。早めに、現在の企業の強み弱み分析、新しい事業の市場分析、優位性の確保に向けた課題設定及び解決方法、実施体制、資金計画などを認定経営革新等支援機関に相談し、よく検討しておきましょう。
特に、事業再構築にあたり、取り組み開始後に資金繰りが悪化することのないよう、少なくとも1~2年の資金繰りの予測をしておきましょう。事業再構築補助金は、再構築後の事業展開によっては、諸刃の剣となる可能性があります。この点、顧問税理士が認定経営革新等支援機関である場合には、事業計画の策定に加え、資金繰りに関しても、まとめて相談に乗ってもらうのがいいでしょう。
なお、認定経営革新等支援機関は、中小企業庁ホームページで確認ができますので、参考にしてください。
【認定経営革新等支援機関一覧(中小企業庁ホームページ)】
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/kikan.htm
まずは早めのご相談を
事業再構築補助金は、コロナ禍において大きな傷を負った既存事業の構造転換という、中小事業者等にとって大きな経営判断を伴う取り組みを支援する事業です。事業再構築にかかる費用に対して補助金を活用することができますが、少なくとも4分の1の資金の自己負担を伴います。事業再構築後の新たな事業展開が想定した通りにいかない場合には、余計に大きな傷を負いかねません。
当事務所は、経営革新等支援機関の認定を受けており、事業再構築補助金をはじめ、さまざまな場面で活用できる補助金や資金調達に関する情報を入手しています。事前のご相談、申請段階から申請後のフォローアップまで。補助金に関するご相談は、認定経営革新等支援機関である当事務所まで、まずはお気軽にご相談ください。